第2章 START
高校1年時に3年生になってから競馬学校を受験しようと決めたから、時間的な余裕はあった。その間に試験内容、受験資格を調べ、体重43㌔以下という規定を知る。その時は(資格欄には43㌔と書いてあるが、ちょっとぐらい大目に見てくれるだろう)という甘い考えを持っていた。もうその時点で体重は優にそれを超えていた。そして普通に高校生活を部活も含め送っていく。1年生の夏には父親に北海道の牧場めぐりのツアーに連れて行ってもらう。ちなみに初めて行った競馬場がこの時の函館競馬場。そして初めて触ったサラブレッドが
三冠馬ミスターシービー。ちょっと自慢

高2の夏、いよいよここで本当の意味での馬との接点ができる。一緒に競馬を始めた友達と2人で乗馬クラブに通い始める。もともと馬に対する恐怖心が無かったため、上達は早かった。初めて10鞍そこそこで障害を跳んでいた。日本の乗馬事情はご存知の通り、価格が異常に高い。その為、馬房掃除のバイト(バボ掃)も当然のようにやらなければならなかった。クラブを終え、馬に乗り、バイトをし、帰宅は9時を過ぎる事もあった。しかし、馬乗りが上手くなることが楽しくて仕方なかった。
そして高校生活最後の夏。周りは受験勉強で忙しそうだったが、こっちは勉強面は中学レベルでいい。思い出作りに専念できた。もう一人増えた競馬仲間と共に北海道の競走馬生産・育成牧場にバイトに行く。約1ヶ月間。馬付けの日々。乗馬クラブで触っているからと言って、やはり本物の現役競走馬。全てがケタ違い。失敗する事は当たり前で、今考えると無謀な挑戦だったかも知れない。しかしなんとか1ヶ月を乗り切る。一緒に行った友なしでは到底達成出来なかっただろう。